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カテゴリ:書体夢想曲[千字文断章]( 24 )

千字文断章シリーズの最終回は「巴里」です。『活版総覧』(1933年、森川龍文堂活版製造所)の44ページに掲載されていた「五號丸ゴチック」をベースにして、少し現代的に解釈して制作しました。
この「五號丸ゴチック」のとなりには、「五號天書(篆書)」が掲載されていおり、わざわざ(丸ゴチックと篆書は少しの違ひであります)というような注記がつけられています。このふたつを比較してみると、どちらも現在各社で販売されている丸ゴシック体と篆書体との間に位置するようなイメージがあります。

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by imadadesign | 2016-12-05 08:20 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「紐育」です。『参號明朝活字総数見本』(東京築地活版製造所、1928年)の片隅に掲載されていた「フワンテル形」の見本をベースにして、少し現代的に解釈して制作しました。
ゴシック体の豎画を細くしたスタイルで、ゴシック体のバリエーションのひとつだと思われます。既成書体では「石井ファンテール」(株式会社写研、1937年)がこの「フワンテル形」のイメージに近いようです。

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by imadadesign | 2016-11-07 14:31 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「羅馬」です。『参號明朝活字総数見本』(東京築地活版製造所、1928年)の片隅に掲載されていた「羅篆形」の見本をベースにして、少し現代的に解釈して制作しました。
ゴシック体の横画を細くしたスタイルで、ゴシック体のバリエーションのひとつだと思われます。既成書体では「アポロA2」(株式会社モトヤ、1969年)がこの「羅篆形」のイメージに近いようです。

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by imadadesign | 2016-10-07 20:39 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「造像」です。『造像記(一)』(遠藤秀紀編著、天来書院、2001年)所載の「牛橛造像記」拓本を参考にして、千字文の冒頭96字を制作してみました。
北魏の孝文帝は、漢化政策を急速に推し進め、漢民族王朝の伝統的首都である洛陽へ遷都するとともに、さらに仏教に深く帰依しました。多数の寺院や仏像が造営され、さらに崖地に洞窟をうがって磨崖仏を彫って石窟寺院を造営するようになりました。
龍門石窟の磨崖仏には、彫った動機や故人の冥福を祈る供養文、願い事を記した願文、そして年月や刻者の名前が「造像記」として刻まれました。そのうちのひとつが「牛橛造像記」です。

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背景の写真は墨です。

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by imadadesign | 2016-09-06 20:56 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「泰山」です。泰山刻石(前219年)は摩滅がいちじるしく進み、1740年(乾隆5年)年には火災に遭って行方不明となりました。後にわずかに10字を残すのみで発見され、原石は泰安博物館において厳重に保存されているそうです。
さいわいなことに拓本が残されており、『泰山刻石』(蓑毛政雄編著、天来書、2002年)として刊行されています。この本の骨書、筆順、字形解説はたいへん役立ちました。
それでも千字文の冒頭96字を制作しようと思うと、勉強不足でどのように書けばいいのかわからないのです。そこで篆刻を勉強した時に買っていた『標準篆刻篆書字典』(牛窪梧十編、二玄社、1987年)もおおいに参考にしました。

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背景の写真は印泥です。

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by imadadesign | 2016-08-08 08:07 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「詩草」です。帛に書かれた「千金帖」(一字には一金の価値があるということから)ともいわれる『懐素草書千字文』(伊東三州解説、日本習字普及協会、1980年)をベースに制作しました。懐素はいくつかの「千字文」を揮毫しており、『西安碑林書法芸術』(陝西人民美術出版社、1989年)の212〜219ページに「懐素草書千字文」の碑刻(拓本)が載っていますが、これは別のものです。
外伝に草書体もひとつは加えたいと考えたのですが、ここまでくると私の能力を大きく超えています。資料が千字文だったのが幸いなことでした。大きさや太さは調整しましたが、字体についてはもう私の手には負えないのでそのままにしました。自分の限界を感じざるを得ません。

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背景の写真は、中国の扇子です。

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by imadadesign | 2016-07-12 08:22 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「聖世」です。原資料の「集王聖教序碑」は中国・西安碑林博物館にあり、『西安碑林書法芸術』(陝西人民美術出版社、1989年)の56、57ページに拓本が載っています。
おもな資料としたのは『集王聖教序碑』(佐野光一編著、天来書院、2007年)所載の拓本ですが、千字文のサンプルを制作するにあたっては『王羲之行書字典』(佐野光一編、雄山閣出版、1982年)から該当する字種を抜き出して参考にしました。
本来なら臨書から入り、書法を極めてから取り組むべきなのでしょう。ラインナップとして行書を入れたくて取り組み始めたのですが、私にとってはかなり荷が重い書体です。

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背景の写真は、広州で行われた「漢字二十四時」というイベントの記念品としていただいたものです。

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by imadadesign | 2016-06-13 08:10 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「洛陽」です。資料としたのは、『西安碑林書法芸術』(陝西人民美術出版社、1989年)の34〜37ページに所載されている「熹平石経」の「周易」残石の拓本です。書体名は「熹平」にしようと思ったのですが、「熹」は馴染みがない漢字なので、この石経のあった場所である「洛陽」としました。
この拓本にあらわれているキャラクターをベースにし、「館蔵漢代碑拓精品選緝」(国立歴史博物館、1995年)に所載されている「熹平石経」の「春秋公羊傳」残石の拓本なども参考にしながら制作しました。

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背景の写真は、広州を訪れた時にいただいた中国茶です。

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by imadadesign | 2016-05-13 10:29 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「開成」です。資料としたのは、『西安碑林書法芸術』(陝西人民美術出版社、1989年)の170〜172ページ所載の「開成石経」拓本です。『開成石経』の「毛詩」のなかの、兵士の妻がうたった詩です。
この「毛詩」にあらわれているキャラクターをベースにして、褚遂良「真書千字文」なども参考にしながら制作しました。

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背景の写真は、北京大学西門です。

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by imadadesign | 2016-04-11 11:58 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)

今月は「宝玉」です。

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背景の写真は、北京土産のサンザシ(山楂)のお菓子です。

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資料としたのは、『程甲本紅楼夢』(書目文献出版社、1992年)全6冊です。しかしながら『紅楼夢』は彫り方が粗雑なために、大きさや太さも不揃いで、寄り引きや回転なども多く、印圧が均一ではありませんでした。

そのままスキャンしての修整は不可能だったので、この書体では、まず解体作業からはじめることにしました。柱の一本一本を吟味し、その形状を確立したうえで再構築していくという方法となりました。原資料を参考にしながらも、現在においての使用にも耐えられるように、バランスをとりながら柱を組み立てていきました。

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by imadadesign | 2016-03-15 08:13 | 書体夢想曲[千字文断章] | Comments(0)